○田原本町政治倫理条例
平成11年12月22日
条例第25号
(目的)
第1条 この条例は、町政が町民の厳粛なる信託によるものであることを認識し、その担い手たる町議会議員(以下「議員」という。)及び町長、副町長、教育長(以下「町長等」という。)が、町民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、自己の地位による影響力を不正に行使し、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、町政に対する町民の信頼に応え、町民とともに公正で開かれた民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。
(議員及び町長等の責務並びに政治倫理基準)
第2条 議員及び町長等は、町民の信頼に値する倫理性を自覚し、自ら進んでその高潔性を実証するとともに常に町民全体の利益を擁護し、公共の利益を損なうようなことがあってはならない。
2 議員及び町長等は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなくてはならない。
(1) 町民全体の代表として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれる恐れのある行為をしてはならない。
(2) 常に町民全体の奉仕者としてその人格と倫理の向上に努め、その地位を利用して公正を疑わせるような金品の授受、飲食の供与を受けないこと。
(3) 町並びに町が関係する公共工事(下請工事を含む。)、業務委託、物品納入及び使用資材の購入(以下「工事等」という。)に関して特定の業者の推薦または紹介をするような有利な取り計らいをしてはならない。
(4) 公正な人事を図るため、町職員の採用に関して推薦または紹介をしてはならない。
3 議員及び町長等は、政治倫理に違反する事実があるとの疑惑をもたれた場合は、第5条に定める政治倫理審査会に出席し、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。
(町民の責務)
第3条 町民は自らも主権者として公共の利益を実現する責務を負うものであるとの自覚を持ち、議員及び町長等に対し、次に掲げる働きかけを行ってはならない。
(1) 前条第2項第3号に規定する工事等の指名又は選定の依頼
(2) 町職員の採用に関しての推薦又は紹介の依頼
(3) その他、飲食の供与等社会通念上疑惑を持たれる恐れのある行為
(町の工事等の契約に関する遵守事項)
第4条 議員及び町長等、又は議員及び町長等の配偶者、1親等若しくは同居の親族が役員をしている企業、又は議員及び町長等が実質的に経営に携わっている企業(以下「関係企業」という。)は、第2条第2項第3号に規定する契約を辞退しなければならない。ただし、関係企業(議員に係るものに限る。)について、各会計年度において支払を受ける工事等の対価の総額が地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第121条の2に定める額を超えない場合は、この限りでない。
2 議員及び町長等は、前項の規定により関係企業が契約を辞退するときは、町民に疑惑を持たれないように責任を持って当該関係企業の辞退届を提出させなければならない。
4 議長は、前項の規定により提出された辞退届の写しを町長に送付しなければならない。
5 町長は、議員及び町長等の辞退届の提出状況を公表するものとする。
(政治倫理審査会の設置)
第5条 政治倫理に関する重要な事項を審査するため、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第138条の4第3項の規定に基づき、田原本町政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、委員7名をもって組織する。
3 審査会の委員は、社会的信望があり、地方行政に関し識見ある者を町長が議会の同意を得て、委嘱する。
4 審査会の委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、出席委員の3分の2以上の同意を要するものとする。
(守秘義務等)
第6条 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後もまた同様とする。
2 審査会の委員は、その職務を政治的目的のために利用してはならない。
3 審査会の委員は、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 議長及び町長は、前項の規定による審査の請求を受けたときは、直ちにその書面の写しを添えて、審査会に審査を付託しなければならない。
3 第1項の規定による審査の請求は、規則で定める期間、請求することができない。
(審査会の審査)
第8条 審査会は、前条第2項の規定による審査を付託されたときは、当該事実の存否の調査を行い、60日以内に審査結果報告書を議長又は町長に提出しなければならない。
2 議長又は町長は、前項の規定により審査結果報告書の提出を受けたときは、10日以内に審査請求者に文書で回答するとともに、速やかに公表しなければならない。
3 審査会は、第1項の審査を行うため、関係者から資料の提出を求め、事情聴取を行うことができる。
(政治倫理基準の違反行為に対する措置)
第9条 議員及び町長等が、第2条に定める政治倫理基準に違反している疑いがある場合は、議長及び町長は、速やかに審査会に調査を依頼しなければならない。
2 前項の規定により調査した結果、審査会において規定に違反しているとの結果がでた場合は、町長は、その旨を公表するものとする。
(遵守事項の違反行為に対する措置)
第10条 議員及び町長等が第4条に違反している疑いがある場合は、議長及び町長は、速やかに審査会に調査を依頼しなければならない。
2 前項の規定により調査した結果、審査会において規定に違反しているとの結果がでた場合は、町長は当該契約を締結してはならない。この場合において、町長はその旨を公表するものとする。
(贈収賄罪等宣告後における釈明)
第11条 議員及び町長等が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条(議員又は町長等の地位又は職務と無関係な贈賄罪を除く。)により第1審で有罪の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、議員については議長が、町長等については町長が町民に対する説明会を開かなければならない。この場合において、当該議員及び町長等は、説明会に出席し釈明するものとする。
2 前項の説明会において、町民は、当該議員及び町長等に質問することができる。
3 前2項に定める説明会の開催及び運営についての手続きは、規則で定める。
(委任)
第12条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。
附則(平成18年12月19日条例第22号)
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月27日条例第11号)
この条例は、令和6年4月1日から施行する。