矢部の「綱掛」
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矢部の「綱掛」は、町の南西部に位置する大字矢部において毎年5月5日(旧新暦共)に、班の頭屋(とうや)を中心におこなわれる行事です。班は、大字内に10班あり、毎年順番に回ります。
班員は、5月4日に行事の準備として、大きな綱、小形の農具(鍬〈くわ〉と鋤〈すき〉)を作り、牛の図を木版刷りにします。
5月5日は、村の役員や綱を持つ人達が、伊勢音頭をはやしながら、頭屋宅を出発し村中を練り歩き、慶事(嫁入りや婿入り)のあった家には、綱を持ち込んで、人に巻きつけます。村中を回り終わると最後に、集落の南の小字ツナカケに綱を掛けます。参加者は、掛けられた綱の前に整列し、僧侶は導師となり経を唱えます。
前日に準備された小形の農具と牛の刷り物は、各戸に配られます。
この行事は、古風な民間宗教儀礼がとどめられており、奈良盆地における農耕儀礼のあり方を考える上で重要な位置を占めています。
名称
矢部の「綱掛」
保護団体
矢部自治会
時代
不詳
所在地
奈良県磯城郡田原本町大字矢部
交通
近鉄橿原線笠縫駅下車 西へ徒歩15分
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担当課:文化財保存課保存活用係
電話:0744-34-7100