千万院の不動明王
区分
有形文化財 美術工芸品(彫刻)
名称
木造不動明王立像
時代
平安時代後期 12世紀はじめ
所在地
奈良県磯城郡田原本町大字法貴寺字寺内
交通
近鉄橿原線石見駅下車 東へ徒歩約40分 近鉄田原本駅下車 タクシー約10分
内容
不動明王立像は、大字法貴寺の千万院に安置されている。高さ79.5センチメートルで、頭体を檜の一材で彫製してから前後に割矧ぎ、割首するとみられている。また、両手はそれぞれ肩で矧ぐ。像表面には一部彩色が残り、衣部には切金文様を散らす。
法貴寺は、「法起寺」ともいい、聖徳太子が創建し秦河勝に賜ったという。千万院はこの法貴寺の塔頭の子院だった。法貴寺の本坊を実相院といい、中世には法貴寺天満宮(池坐朝霧黄幡比売神社)の別当職を担うなど、在地豪族長谷川党とのつよい結びつきで大きな勢力を誇った。しかし、江戸時代半ばには実相院と千万院の2坊のみとなり、神仏分離で実相院にかわって法貴寺薬師堂を受け継いだのは千万院だけとなった。現在、千万院の僧坊はすでになく、薬師堂を千万院と呼ぶ習わしとなっている。
拝観は、前もって法貴寺自治会長宅まで連絡が必要(団体のみ)
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担当課:文化財保存課保存活用係
電話:0744-34-7100