職員への訓示
皆さん、おはようございます。
この度、町民の皆さまから信託をいただき、田原本町長に就任いたしました高江啓史です。
御縁とは大変不思議なもので、田原本町役場で働かせていただいた4年間で2度の退職、3度目の初登庁となりますが、温かく出迎えていただきましたこと、まずもって御礼を申し上げます。有り難うございます。
田原本町に4年前に移り住み、この田原本町役場で働いてまいりましたが、田原本には多くの魅力があるのと同時に、まだまだ可能性に満ち溢れているように感じています。その可能性を開花させ、幸せを感じられるまちを、困ったときにこそ住んでいてよかったと思うことのできるまちを、住民の皆さん、職員の皆さんとともにつくってまいりたい、そういった思いを持って、今この場に立っております。
本日は、私が町政運営を担うに当たって、職員の皆さんに求めること、そして、当面の予算・組織人事・政策についてお話をさせていただきます。
1 職員の皆さんに求めること
私から皆さんに求めることは3点です。副町長在任中から何度となく申し上げていることでありますが、今回は、町長という組織の長として明確な指示をもって申し上げます。
一点目は、「思考なき前例踏襲を排し、よく考えて、前向きな挑戦をすること」です。
役場のような官僚組織においては前例踏襲になりやすい傾向があります。前例踏襲は絶対悪のように語られることがままありますが、必ずしもその全てが悪なわけではありません。しっかりと自分なりに検討を深め、結果として前例と同じ結論になることは何ら非難されるべきことではありませんし、その思考プロセスは素晴らしいものです。非難されるべきは、思考なき前例踏襲です。皆さんの使命は間違いなく前任者を超えることです。現状維持は衰退であり、住民に対する裏切りであります。できない理由を滔々と述べて言い訳ばかりする人間を私は一切評価しません。失敗はしても結構です、責任は私がとります。皆さんの前向きな挑戦を大いに期待します。
二点目は、「あらゆることを自分ごととしてとらえ、全体最適を旨として行動すること」です。
施設のことは総務課だけが、財政のことは企画財政課だけが考えればよいわけではありません。全体最適とは住民の幸福度の最大化であり、自分の部のことだけ、課のことだけ考えて行動することは厳に慎んでください。そういった行動は住民の幸福度を押し下げてしまうことを十分に御理解いただきたいと思います。
三点目は、「誰もがプロフェッショナルであるという前提に立ち、互いに尊重すること」です。
町長という役職は決して偉いわけではなく、役職は単なる役割分担です。私は、役職で人を呼ぶ行為は、無意識に上下関係を生じさせ、人と人との間に心理的な壁をつくる要因の一つであると考えています。それ故に、私は役職で呼ばれることも、皆さんを役職で呼ぶことも好みません。これまでもお願いしてきたことではありますが、私のことを町長と呼ぶことは禁止します。そして私も皆さんのことは、役職ではなく、さん付けで呼ばせていただきます。皆さんも上司部下と接するとき、役割分担が異なるだけの対等なプロフェッショナルであることを前提に接するよう心掛けてください。全ての職員が自分らしさを出していける職場づくり、より一層心理的安全性が確保された職場づくりへの御協力をよろしくお願いいたします。
以上3点、皆さんに改めてお願いするものであります。
2 当面の町政運営の方向性(予算、組織人事、政策)
続いて、当面の町政運営の方向性について申し上げます。
まずは予算につきましては、森前町長の方針として、町長選挙が実施されることを踏まえ、令和6年度当初予算は原則として大きな新規事業を盛り込まない骨格予算での編成を行っているものと承知しております。現在編成されている骨格予算を前提に、残された約1週間の中で、可能な限りの見直しを行います。そして、新規事業については、後ほど申し上げます政策の方向性を踏まえて6月以降の補正予算において順次事業化してまいりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
次に、組織人事につきましては、限られた資源を総花的に投資することは考えておりません。現在の組織のスリム化・重点化を行うとともに、多様性を重視した人事を行います。
そして、政策に関しましては、今回の選挙において、3つの柱をお示ししてまいりました。
一つ目が「人が繋がり居場所と出番のあるまち」。二つ目が「安心安全を感じられるまち」。三つめが「未来にツケを残さない持続可能なまち」です。具体的な政策の検討については別途指示しますが、まずは、行財政改革を強力に推進し、持続可能なまちづくりを進めていかなくてはなりません。その上で、具体的な政策を通じて、幸せを感じられるまちを、そして、困ったときにこそ住んでいてよかったと思うことのできるまちを、住民の皆さん、職員の皆さんとともにつくってまいりたいと考えております。
3 最後に
最後になりますが、仕事はどうせやらねばなりません。生活のためでも、社会をよくするためでも、どういった想いをもって働くかを問わず、この田原本町役場に就職している以上は仕事をせねばなりません。であれば、どうせやらなければならないのであれば、楽しく、面白くやりましょう。その気持ちを持っているだけでも毎日の過ごし方が変わってくるはずです。
この素晴らしい田原本が、より幸せを感じられるまちに、そして困ったときにこそ住んでいてよかったと住民の皆さんに思っていただけるまちになるよう、我々は全力で取り組まなければなりません。今日こそがそのスタートの日であります。
皆さんの力強い御協力をよろしくお願い申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。
有り難うございました。
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