令和6年 田原本町議会第1回臨時会所信表明

議長のご指名によりまして、令和6年田原本町議会第1回臨時会の開会に際し、一言ご挨拶を申し上げます。議員各位におかれましては、常日頃から町政発展のため多大なるご支援、ご協力を賜っておりますことに厚く御礼を申し上げます。

まず、この度の石川県能登地方を震源とする令和6年能登半島地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、そのご家族、並びに関係者の皆様に謹んでお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の復興支援のために様々な立場でご尽力されている方々に深く敬意を表します。

本町といたしましては、発災の2日後に、可搬式の水洗トイレ「トイレトレーラー」を現地に派遣し、今週の日曜日からは、職員2名を被災地に派遣するなど、広域的な被災地支援を実施しているところです。議員の皆様方におかれましても、引き続きご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

さて、私事で恐縮ではございますが、このたびの町長選挙におきまして、町民の皆様を始め各方面の力強いご支援を賜り、町政を担当させていただくこととなりました。大変身の引き締まる思いでありますのと同時に、町長としての使命と責任を果たすべく、全身全霊でその期待に応えて参りたいと決意を新たにしているところであります。

本日は、当選後の初議会でございますので、町政運営に対する所信の一端を申し述べさせていただきます。

私は今回の選挙を通じて、「幸せを感じられる田原本、困ったときこそ住んでいてよかったと思うことのできる田原本」を、住民の皆様とともに創造していきたいという思いをお伝えしてまいりました。まちづくりを進めていくに当たりましては、客観的な経済指標も大切ですが、私は基礎自治体の最も重要な使命は住民の皆様一人ひとりの主観的な幸せ、幸福度の向上だと考えております。

町政運営を担うに当たりまして、これを最も重視し、先人たちが築き上げてきたこの素晴らしい田原本の可能性をより一層開花させるために、私は「田原本の次なる3つの未来」をお示しいたします。

1つ目は「人が繋がり居場所と出番のあるまち田原本」です。

居場所とは、「安心して居られる場所」であり、出番とは「活躍の機会」であります。地域内雇用の確保や田原本の未来を担う子どもたちの学習環境の確保、人が繋がる機会の創出などを通じて、住民の皆様にとっての「居場所と出番」を創出し、もって、幸せを感じられるまちづくりを進めてまいります。

2つ目は「安心安全を感じられるまち田原本」です。

幸せを感じられるまちの基盤となる部分であり、今目の前にある日常をしっかりとお守りするために、経済的支援や相談体制の充実、健康寿命の延伸などに取り組んでまいります。

3つ目は「未来にツケを残さない持続可能なまち田原本」です。

まちづくりを行政や議員の皆様だけで行う時代ではありません。今も地域を力強く支えて下さっている住民の皆様に加えて、より多くの方々が、まちづくりを「自分ごと」としてとらえていただける仕組みを構築し、住民の皆様とともに行財政改革を進め、持続可能なまちづくりを進めてまいります。

これら「田原本の次なる3つの未来」を軸に政策を展開し、住民の皆様の幸福度の向上に努めてまいる決意でありますが、目下の大きな課題は大変厳しい財政状況です。自治体財政の健全度を表す財政指標のうち、経常収支比率と実質公債費比率は県下自治体中ワースト4位であり、これは、国や県から補填されない借金の返済額の増加により、自由に使えるお金が少なくなっている状況を表しています。近い将来には、3小学校統合校の建設などの大規模なハード整備が控えている中で、行財政改革を強力に推進しなければ田原本の未来はありません。

来年度当初予算につきましては、今まさに編成作業を進めております。直前に選挙があったことを踏まえ、原則として大きな新規事業は盛り込まない骨格予算での編成としておりますが、これまでのハード整備に係る投資計画を見直し、投資の平準化を図るとともに、ソフト事業についても見直しを行ってまいります。その上で、今回の選挙において住民の皆様にお約束させていただきました公約につきましては、6月定例会以降の補正予算において実現してまいります。現在の田原本にある様々な課題に対して一つ一つ丁寧に取り組み、限られた財源の中で10年後、20年後を見据えたまちづくりを進めてまいります。

最後になりますが、まちづくりは私一人ではできません。私ども行政だけでもできません。「幸せを感じられる田原本、困ったときこそ住んでいてよかったと思うことのできる田原本」の実現に向け、議員の皆様、住民の皆様をはじめ、田原本に関係する全ての皆様のご協力を心よりお願い申し上げまして、私からの所信表明とさせていただきますとともに、開会の挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

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