○田原本町議会基本条例

令和3年8月3日

条例第14号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第5条)

第3章 町民と議会との関係(第6条・第7条)

第4章 執行機関と議会との関係(第8条―第11条)

第5章 議会運営(第12条・第13条)

第6章 議会機能の充実(第14条―第16条)

第7章 議員の政治倫理、身分及び待遇(第17条―第20条)

第8章 最高規範性と見直し手続(第21条・第22条)

附則

(前文)

日本国憲法に定める地方自治の本旨に基づき、二元代表制の下、その一翼を担う議会は、住民の負託に応える責務があります。

田原本町議会は、その責務を果たすため、町民の多様な意見を的確に把握し、町民本位の立場で議会活動に取り組むとともに、町長その他の執行機関に対するチェック機能及び評価機能の充実を図り、議事機関として最善の意思を決定する必要があります。

この観点から、田原本町議会と田原本町議会議員は、地方分権の時代にふさわしい役割を果たすため、各種の改革に取り組んできました。

ここに、私たちは、これまでに積み重ねてきた取組を確かなものとし、これまでにも増して公正性及び透明性を高めるとともに、「町民に開かれた議会」「議員活動の活発化」「議員の資質向上」を実現するための取組に邁進することにより、住民福祉の向上と町勢の発展に尽くすことを固く決意し、田原本町議会の最高規範として、田原本町議会基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、二元代表制の下、田原本町議会(以下「議会」という。)に関する基本的事項を定め、議会及び田原本町議会議員(以下「議員」という。)がその担うべき役割を的確に果たすことにより、町民の負託に応え、もって町民福祉の向上及び町勢発展に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき、活動するものとする。

(1) 有権者により選ばれた議員により構成されていることを常に自覚し、公正かつ透明で町民にわかりやすい議会運営を目指すこと。

(2) 町民の多様な意見及び知見を的確に把握し、町政への反映に努めること。

(3) 町政に係る調査研究を通じて、政策の立案及び提言を行うこと。

(4) 町長その他の執行機関(以下「町長等」という。)による事務の執行についてチェックし、及び評価すること。

(5) 町民に開かれた議会を目指し、議会の情報の公開に努めること。

(6) 不断の議会改革に努め、議会機能の向上を図ること。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき、活動するものとする。

(1) 議会の構成員として、町民全体の福祉の向上を目指した活動に努めること。

(2) 議会が言論の府であることを十分認識し、別に定めるところにより、議員間の自由な討議の推進を図ること。

(3) 町政の課題全般についての町民の意見要望の把握に努めること。

(4) 自己の能力を高める不断の研鑽に努めること。

(5) 町民の代表としてのふさわしい活動に努めること。

(6) 町民の代表として、常に良心と責任感を持って品位の保持に努めること。

(議長の責務)

第4条 議長は、議会を代表する立場として、中立で公平な議会運営を行うとともに、議会の活性化が図られるよう行動するものとする。

(災害時の対応)

第5条 議会及び議員は、災害が発生した場合又は発生する恐れがある場合は、その果たすべき役割を十分に認識し、迅速かつ的確に行動するとともに、町民生活の安定及び維持に努めるものとする。

2 議会及び議員の災害時の対応について必要な事項は、別に定める。

第3章 町民と議会との関係

(会議の公開等)

第6条 議会は、議会の活動に関し、町民に対し、公開に努める。

2 議会は、別に定める場合を除き、原則として本会議その他会議を公開する。

3 議会は、議会に対する町民の関心を高めるため、多様な手段を用いて、議会活動に係る広報及び広聴の充実に努めるものとする。

(町民の参画)

第7条 議会は、町民の多様な意見を把握するため、町民と議員が意見交換する機会を設けるよう努めるものとする。

2 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号)に規定する参考人制度及び公聴会制度を十分に活用し、町民の意見を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

3 町民の請願及び陳情については、田原本町議会会議規則(平成3年12月田原本町議会規則第1号)で定める。

第4章 執行機関と議会との関係

(町長等との関係)

第8条 議員と町長等との関係は、常に緊張関係を保持し、議会審議は、次に掲げるところによる。

(1) 本会議における議員と町長等との質疑応答は、広く町政上の論点及び争点を明確にするものとする。

(2) 質問の方法は、一括方式又は一問一答方式のいずれかを選択することができる。

(3) 議長又は委員長は、本会議及び委員会への出席を要請された町長等に、議員の質問及び質疑に対し、明確な答弁を求めることができる。

(確認の機会の付与)

第9条 町長等は、本会議及び委員会における質疑及び質問についてその趣旨及び論点を明確にするため、議員に対し、当該質疑及び質問の趣旨を確認することができる。

(議会の審議における資料等)

第10条 議会は、町長が提案する政策、計画、施策、事業等(以下「政策等」という。)の審議を深めるため、町長等に対し、特に重要な政策等について、次に掲げる事項についての説明資料等の提供を求めることができる。

(1) 政策等を必要とする背景

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討

(4) 町民参加の有無及びその内容

(5) 田原本町総合計画との整合性

(6) 財源措置

(7) 将来における効果及び費用

(8) 前各号に掲げるもののほか、審議を深めるため必要な事項

2 議会は、政策等を審議するに当たり、立案及び執行における論点及び争点を明確にし、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(予算及び決算における政策説明)

第11条 議会は、予算案及び決算の審議に当たっては、前条第1項の規定に準じ町長等に対し、説明資料等の作成を求めることができる。

第5章 議会運営

(議会の合意形成)

第12条 議会は、合意形成に向けて、議員相互間の自由な議論の場を設ける運営に努めなければならない。

2 議会は、町民から提出された陳情に関し、議員相互間で議論を尽くして合意形成に努めなければならない。

3 一部事務組合に議会代表として選出されている議員は、必要に応じ当該組合議会における審議事項等を全員協議会等で報告し、情報の共有に努めなければならない。

(委員会の活動)

第13条 委員会における審査に当たっては、町民に対し、わかりやすい議論に努めなければならない。

2 委員長は、委員会運営に当たっては、中立で公平な運営に努めなければならない。

3 委員長は、委員会の秩序の保持に努め、委員長報告を作成し、及び報告する。

4 委員会は、必要に応じ、町民に対し、審査経過等の説明に努めなければならない。

5 委員会は、町政に必要な課題が生じたときには、政策提言を発することができる。

第6章 議会機能の充実

(議会の議決事項)

第14条 地方自治法第96条第2項に規定する議会の議決事項は、議会が町政における重要な政策の決定に参画する観点と、町長の政策執行上の必要性を比較考量し、別に条例で定めるものとする。

(議会機能の充実強化)

第15条 議会は、議員の政策形成能力の向上を図るため、学識経験を有する者からの助言、他の自治体等に対する調査その他政策研究の機会を設けるよう努めるものとする。

2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家等を講師として招く等の方法により行う議員研修会を年1回以上設けるよう努めるものとする。

3 議会は、議員の調査機能強化及び立案補助のため、議会事務局の機能の充実に努めるものとする。

4 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書館を適正に管理運営するとともに、その機能の充実及び活用を図るものとする。

(政務活動費)

第16条 議員は、政策立案及び提案を行うための調査研究その他の活動に資するために交付される政務活動費の執行に当たっては、田原本町議会政務活動費の交付に関する条例(平成30年12月田原本町条例第28号)を遵守しなければならない。

第7章 議員の政治倫理、身分及び待遇

(議員の政治倫理)

第17条 議員は、田原本町政治倫理条例(平成11年12月田原本町条例第25号)の定めるところにより、町民全体の奉仕者としてその倫理性を常に自覚して行動しなければならない。

(議員に対する懲罰)

第18条 議会は、地方自治法並びに田原本町議会会議規則及び田原本町議会委員会条例(平成3年9月田原本町条例第9号)に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができる。

(議員定数)

第19条 議員の定数は、議会としての機能を果たすにふさわしいものとすることを基本とし、田原本町議会の議員の定数を定める条例(平成14年6月田原本町条例第13号。次項において「議員定数条例」という。)により定めるものとする。

2 議員定数条例の改正に当たっては、町政の現状、課題、将来予測等を十分考慮するものとする。

(議員報酬)

第20条 議員報酬は、町民の負託に応える議員活動への対価であることを基本とし、田原本町議会議員の議員報酬等に関する条例(平成20年9月田原本町条例第16号。次項において「議員報酬条例」という。)により定めるものとする。

2 議員報酬条例の改正に当たっては、行財政改革の視点並びに町政の現状、課題、将来予測及び展望を十分考慮するものとする。

第8章 最高規範性と見直し手続

(最高規範性)

第21条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する議会の条例、規則等を制定してはならない。

2 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、もって町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。

(議会改革の継続)

第22条 議会は、定期的に議会の運営状況を検証し、必要に応じて改善策を検討するものとする。

2 議会は、前項の規定による検討結果に基づき、議会運営に係る改善策について、この条例の改正を含み適切な措置を講じるものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

田原本町議会基本条例

令和3年8月3日 条例第14号

(令和3年8月3日施行)