11月10日 災害時の避難所内の環境について

ご提案・ご意見について

南海トラフ地震等大規模地震が来た際、設置された避難所内の環境についてどのように検討されているのかお聞かせください。HP内で避難場所についての記載はありましたが、その他の記載の見落としがある場合は申し訳ありません。

東日本、能登地震などで見られる避難所の様子だは未だに全員が同じ場所で雑魚寝スタイルであり、仕切りも低く、ダンボールなどプライバシーを軽視した頼りないものばかりです。実際に、田原本でも大規模地震で避難が必要になった際にも、同様の環境になるのでしょうか。窃盗や、女性が必要になる品の手配が充実しているか、また性被害の問題も心配されます。イタリヤの避難所のように、世帯ごとにプライバシーに配慮された独立型が希望でありますが、完全に同じでなくても、最大限のプライバシー配慮をしていただきたいです。事前に、田原本はしっかり環境整備をして下さるのか、されるのであれば、事前情報を当方だけでなく、防災マップ内でも提示していただけないでしょうか。

田原本町の回答

ご意見ありがとうございます。

このたびは、南海トラフ地震等の大規模地震時における避難所環境、とりわけプライバシー配慮や防犯、女性のニーズ、女性用品の確保等に関する大切なご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。

東日本大震災や能登半島地震の事例を踏まえたご懸念はもっともであり、田原本町としても「安全・安心・尊厳を守る避難環境」の整備を重要課題として取り組んでいます。

いただいた趣旨を踏まえ、現時点の考え方と対応方針、今後の情報発信についてお知らせします。

1 避難の基本的な考え方

避難所とは、地震等で自宅での安全な生活が困難になった方が一時的に過ごす「最後の拠り所」です。

避難先には、指定避難所(学校・公民館等)のほか、自宅、親族・友人宅、宿泊施設等も含まれます。

  • 自宅が安全(耐震性の確保、家具固定、火災等の二次災害リスクが低い)で、水・食料・生活必需品等の備蓄があれば「在宅避難」は有効な選択肢です。
  • 在宅避難者が増えるほど、指定避難所の混雑は緩和され、避難所を必要とする方(高齢者、要配慮者、住宅被害が大きい方等)への支援が行き届きやすくなります。
  • 町として、耐震化の促進、家具の転倒防止、家庭備蓄(少なくとも3日、可能なら1週間以上)を繰り返し呼びかけております。

2 指定避難所の環境整備に関する方針

ご指摘の「雑魚寝・低い仕切り・プライバシー不足」等の課題に対し、町では次の考え方で改善・整備を進めます。

(1)プライバシー配慮

  • パーティーション及び簡易ベット等は、高齢者、乳幼児連れ、妊産婦、要配慮者等を優先に配布し、専用スペースを確保します。
  • 更衣・授乳・静養スペースを明確化し、出入口や動線を分けるなど配慮します。

(2)防犯対策

  • 受付、名簿管理、入退場管理の徹底、夜間の見回り体制、複数人による運営チェックの実施。
  • 貴重品は個人で保管していただく必要があります。
  • 避難所の運営ルールで窃盗抑止を図ることになります。また、照明の確保、死角を減らすレイアウト、警察との連携強化します。

(3)性被害・ハラスメント防止

男女別トイレ・洗面・更衣スペースの明確化や女性職員・女性ボランティアの配置、見守り体制の確立に取組みます。

(4)体制の確保

イタリアのような完全独立型ブースの全避難者分の即時整備は、施設の規模・資機材・人員の制約から困難でありますが、「最大限のプライバシー確保」を方針として、優先度の高い方から順次整備してまいります。

また、町の備蓄に加え、県・広域連携、民間事業者との協定物資、ボランティアとの連携により、段階的に環境を向上させます。

(5)防災マップ内でも提示

「プライバシー確保」「性被害・窃盗防止」「女性用品の充実」は極めて重要であり、町としても運用方針の整備・周知に取り組みます。

一方で、避難所の具体的なレイアウトや在庫数、防犯配置などの詳細は、災害規模・施設損傷・避難者数・支援物資の到着状況に左右され、事前に固定情報として「防災マップ」へ掲載することは難しいため、現時点では防災マップ内での個別明記はいたしかねます。

いただいたご意見を踏まえ、改善と情報発信に継続して取り組みます。今後ともご意見をお寄せください。

この記事に関するお問い合わせ先

担当課:防災課安全防災係
電話:0744-34-2059