令和7年第1回田原本町議会定例会施政方針

町政運営の方針

日常とつながりを守り、さらに飛躍する『幸せを感じられる田原本』へ

  1. 「人が繋がり 居場所と出番のあるまち」
  2. 「安心安全を 感じられるまち」
  3. 「未来にツケを残さない 持続可能なまち」

施政方針

令和7年第1回定例会に際しまして、令和7年度一般会計予算(案)をはじめとする各議案の御審議をお願いするに当たり、町政運営の基本方針と主要施策の概要を申し述べさせていただき、議員各位並びに町民の皆様の御理解とお力添えを賜りたいと存じます。

◆はじめに

  早いもので、私が町政を担わせていただいてから1月31日で1年を経ました。就任以来、私は、町民の皆様とともに「幸せを感じられる田原本」のより一層の実現を目指して、「人が繋がり居場所と出番のあるまち」、「安心安全を感じられるまち」、「未来にツケを残さない持続可能なまち」の3つの柱を掲げ、全身全霊でまちづくりに取り組んできました。

  具体的な政策面においては、「こどもまるごとプロジェクト」や「たわらもとReBORNプロジェクト」、「たわらもとええ道プロジェクト」、「ともに生きていくまちプロジェクトTawaramoto」、「未来を拓く行革」などの新たな取組を打ち出すとともに、町民の皆様を主体としたまちづくりを進めるための2本の新たな条例、「田原本町つながりと助け合い推進条例」、「田原本町人権を尊重し多様性を認め合い共に支え合うまちを目指す条例」の制定など、着実に歩みを進めることができたものと考えております。これは、常日頃より町政発展のために多大なる御尽力を賜っております議員各位、そして、町民の皆様の御理解、お力添えがあってのことであり、この場をお借りし、改めて心から感謝を申し上げます。

有り難うございます。

 

令和7年度当初予算(案)につきましては、「日常とつながりを守り、さらに飛躍する『幸せを感じられる田原本』へ」をテーマといたしました。意見交換会等による町民の皆様との20回以上の対話や議員各位との議論などを踏まえ、子育て支援や福祉の充実、防災や居場所づくりに係る取組などにより、町民の皆様の日常とつながりをしっかりお守りするとともに、教育や産業への投資を加速することによって、「幸せを感じられる田原本」のより一層の実現を目指すものであり、令和7年度当初予算(案)の総額は、一般会計で147億1,900万円、特別会計は4会計合計で73億1,126万6千円、企業会計である下水道事業会計は19億2,130万6千円となり、全会計あわせて239億5,157万2千円としております。

  令和5年度決算における実質公債費比率が県内ワースト4位、経常収支比率が県内ワースト3位という現状にあって、公共施設の設備更新など、実施が必要な臨時的かつ大規模な事業が複数あり、大変厳しい状況での予算編成となりましたが、聖域なき行財政改革を断行することで、21億円弱の財政効果を見込んでおるところです。結果、行財政改革の短期的な目標である決算ベースでの基金を充当しない予算編成を9年振りに達成する見込みであるほか、当初予算(案)ベースでも財政調整基金の取り崩しを前年度比50%(1億5,000万円)減らすことができたものであります。

 

「変化こそ唯一の永遠である。」

  これは、明治期の芸術思想家、岡倉天心の言葉であります。

我々が生きるこの世界は、常に変化し続けています。季節が巡り、社会が発展し、我々自身も日々変化を重ねています。そして、この変化こそが、唯一永遠の真理であります。

  日本が明治維新を迎えたとき、西洋の文化と技術を取り入れながらも、日本の伝統を守ることで、世界に誇れる国へと成長しました。岡倉天心も、西洋美術の知識を取り入れながら、日本美術の価値を見出し、その素晴らしさを世界へ発信しました。

我々も、時代の流れとともに変化し続けなければなりません。変化を恐れるのではなく、それを受け入れ、むしろ自らが変化を生み出していくことが、より良いまちづくりにつながるものと確信をしています。

  失敗を恐れず、挑戦し続けることこそが、より良い未来を築く唯一の方法であり、「日常とつながりを守り、さらに飛躍する『幸せを感じられる田原本』」を実現すべく、残りの任期2年11か月においても、挑戦をし続ける覚悟であります。

 

  それでは、令和7年度当初予算(案)をはじめとする新年度の主要施策の概要につきまして、順に御説明を申し上げます。

◆教育・子育て支援の充実「こどもまるごとプロジェクト」

まず、教育と子育て支援の充実について御説明申し上げます。

令和6年度に打ち出しました「こどもまるごとプロジェクト」を拡充し、「こどもまるごとプロジェクト2.0」として、子どもへの支援、家庭への支援、教育の充実、学校快適化プロジェクトのさらなる充実を図ります。

子どもへの支援といたしましては、ヤングケアラー等への相談支援を強化するため、新たに臨床心理士をこども家庭センターに配置し、やすらぎ相談などを行うやすらぎ指導員や、学校に配置されるいじめ・不登校対策指導員と連携して子どもの孤独・孤立を防ぎ、「教育と福祉」の連携による適切な支援へとつなげてまいります。

また、特別支援教育充実事業、いじめ・不登校対策支援事業については人的配置などを拡充し、適切な支援を実施するほか、やすらぎ相談室・やすらぎ教室において、心の回復と安心できる居場所づくりを行います。加えて、新規事業として、子どもが気軽に立ち寄ることができる居場所を提供する団体へ立ち上げに係る費用を助成する子どもの居場所事業を実施し、家庭でも学校でもない子どもたちの第三の居場所づくりを進めてまいります。

家庭への支援といたしましては、新規事業として、不妊治療費用助成や1か月児健康診査受診費用助成、産後ボディケア教室、パパの赤ちゃん体操教室、2歳までの児童の養育者へのベビーシッター利用支援、5歳児相談を実施するとともに、待機児童の受け皿として一時預かり事業を拡充することにより、定期利用回数の拡充や柔軟な予約受付を可能とするなど利便性の向上に努めるほか、学校給食費補助事業により、給食費の物価高騰分を町が負担する取組を進めるなど、全ての子育て世帯に対して包括的な支援を行ってまいります。

教育の充実といたしましては、新たに読解力向上プロジェクトを立ち上げ、まずは小学校4~6年生に約4,200冊の電子書籍を導入するとともに、学校司書が各校を巡回して学校図書館の運営・整備等を支援することで子どもたちの学びを深めてまいります。また、中学校の休日における部活動を地域移行する部活動地域連携事業を拡充し、対象となる部活動を運動部2部、文化部1部とするとともに、引き続き複式学級解消のための教員加配など町独自の教員等の加配を進めてまいります。

教育におけるハード面におきましては、築60年以上となる学校施設が増える中、これまでも進めてまいりました学校快適化プロジェクトをさらに力強く推進していまいります。令和11年度の開校を控えております3小統合校の新設を引き続き推進するほか、3小統合の対象外である平野小学校と南小学校については、トイレの洋式化・乾式化、特別教室へのエアコン設置を令和10年度までに計画的・重点的に実施いたします。また、アレルギー対応食や町内産100%の米飯を提供する学校給食センターの整備や、各小学校へのウォータークーラーの設置など、その他のハード整備についても着実に進めてまいります。

◆かせぐ地域の実現

続いて、かせぐ地域の実現について御説明を申し上げます。

令和6年度に京奈和自動車道沿道500mを新たに「ものづくりエリア」に指定し、引き続き大規模な土地利用による企業誘致を強力に推進することに加え、「たわらもとReBORNプロジェクト」を新たに立ち上げ、スタートアップの誘致、伴走支援を行うとともに、コワーキングスペース等の開設支援や資金調達に係る支援を実施することで、地域に新たな産業を生み出し、中長期的な地域経済の発展を目指します。

また、農業については、農業基盤対策を引き続き進めるとともに、新たに耕作放棄地対策支援補助事業を創設し、「かせぐ地域」のより一層の実現を目指してまいります。

◆都市基盤の充実

続いて、今ある日常をしっかりとお守りするための都市基盤の充実について御説明を申し上げます。

まず、道路などのインフラにつきましては、令和6年度に全ての橋梁の早期修繕箇所の修繕が完了するとともに、全ての町道の損傷状況等の調査を初めて実施したところです。その調査結果を踏まえ、「たわらもとええ道プロジェクト」と題する新たな取組を立ち上げ、令和7年度から11年度の5ヵ年で計画的・重点的に老朽化損傷道路の解消に取り組みます。

また、埼玉県八潮市での道路陥没事故を踏まえ、下水道管路点検を強化し、点検方法を管路スクリーニングに変更して、町管理の口径500mm以上のコンクリート管の全管路(約3.5km)を対象に点検を実施します。

住民の皆様の足を確保する観点からは、デマンド交通tawamo(たわも)につきまして、運行区域を町内全域へ拡大し、利便性向上に努めるとともに、運賃値下げなどについても検討を進めてまいります。

課題となっていた空き家対策については、調査体制の強化、管理不全空家等の認定推進、税の特例解除等、徹底した対策を進めてまいります。

また、令和7年度は防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策の最終年度となることから、町に有利な時限的な財源を最大限活用し、防災機能を有するインクルーシブ公園などを整備するほか、流域治水のさらなる推進など、防災・減災に係る取組を力強く推進してまいります。

◆つながる福祉(ふだんのくらしのしあわせ)の充実

続いて、つながる福祉の充実について御説明を申し上げます。

重層的支援体制の整備、成年後見制度利用に係る支援、個別避難計画の作成、身寄りのない高齢者の支援などにより、介護、障がい、生活困窮などの、普段の暮らしにおける困りごとの解消に向けて福祉の充実を図るとともに、新規事業として介護人材確保事業や帯状疱疹ワクチンの定期接種費用助成を実施し、町民の皆様の普段の暮らしの幸せの充実につなげてまいります。

◆Ta(楽しく)wara(笑って)moto(もっと)元気に

また、認知症に係る総合的な取組として、「予防」「早期発見・早期治療」「認知症になっても地域で支えるしくみづくり」を推進する「ともに生きていくまちプロジェクトTawaramoto」を立ち上げます。

「認知症予防」については、認知症の専門家からなるランセット委員会の報告をベースに、社会的孤立、難聴、身体活動の低下、生活習慣病といった認知症リスク要因に対するアプローチをさらに充実してまいります。

例えば、社会的孤立に対しては、男性高齢者が孤立に陥りやすいというこれまでの知見を踏まえ、男性に特化した運動教室を創設するとともに、運動教室参加者を地域の支え手につないでいくなど新たな居場所と出番を創ってまいります。

◆多様な価値を認め合える居場所づくり・つながりづくり

続いて、多様な価値を認め合える居場所づくり、つながりづくりについて、御説明を申し上げます。

令和6年度に制定いたしました「田原本町つながりと助け合い推進条例」と「田原本町人権を尊重し多様性を認め合い共に支え合うまちを目指す条例」を踏まえ、田原本の将来を住民の皆様と議論する住民協議会(自分ごと化会議)を開催するほか、居場所づくりやつながりづくりの一環として、「知と交流の拠点」としての青垣生涯学習センターの再整備や、こどもの居場所の立ち上げ支援など、地域のつながりを深める取組を推進してまいります。

また、多様な価値を認め合える社会の実現に向け、ファミリーシップ宣誓制度の整備を行うとともに、行政の意思決定に際し、様々な意見や発想を反映できるよう、各種附属機関等に多様な背景を持つ方々の参画を促してまいります。

◆彩りある文化の振興

続いて、彩りある文化の振興について御説明を申し上げます。

唐古・鍵遺跡をはじめ地域の彩りある文化を、より広い町民の皆様に身近に感じていただけるよう、取組を推進してまいります。

唐古・鍵考古学ミュージアムの企画展などにおいては、親しみやすい展示やワークショップ等を通じ、あらゆる立場の方に歴史・文化を身近に感じていただく機会を提供してまいります。また、唐古・鍵遺跡史跡公園の運営に際しては、指定管理者にインセンティブを付与することで、更なる利活用を促し、にぎわいづくりに努めてまいります。

スポーツ振興については、中央体育館に運動ルームを開設し運動機会を提供するとともに、グラウンドゴルフ場の利用料金の引き下げや、65歳以上の町民の方を対象にした、観光ガイド案内の下で町内の寺社等を巡るウォーキングイベントを年6回開催し、身近な歴史や文化に触れつつ、健康増進につなげていただけるような取組を推進してまいります。

 

◆持続可能なまちづくり

続いて、持続可能なまちづくりにつきましては、小中学校の給食の生ごみ等を堆肥化し花を育てていただく食品資源循環事業やこどもはぐくみ・交流センターでのこども服や絵本等のリユースイベントの開催などを通じて、さらなるごみの減量と再資源化を図るとともに限りある資源を大切にする取組を推進してまいります。

また、高齢化の進展とともに課題となっておりました、ごみ出しが困難な方を対象としたふれあい収集について、要件を緩和したうえで、柔軟な運用をしていくほか、あわせて行っております安否確認により、安心安全の確保と、日常の困りごとの解消につなげてまいります。

 

◆時代に適応した役場へ

行政、役場自らも変わり続け、時代に適応していかなければなりません。昨年には役場として、全国で12自治体しか認定されていない「健康経営優良法人2024」に認定いただき、職場環境の改善を通じて町民の皆様に一層寄り添う体制を整備してきたところでありますが、利便性の高い電子申請システムを利活用するなど、住民の皆様の利便性と行政の効率化を進める行政デジタル化を推進するほか、役場庁舎竣工時から更新がなく耐用年数を大幅に超過している空調設備の全面改修やLED照明の更新を行い、庁舎施設の省エネルギー化と働きやすい環境の整備を進めてまいります。

◆未来を拓く行革

最後に、令和7年度当初予算(案)の編成に際しましては、田原本町特別顧問 関西学院大学教授 上村敏之氏からの助言などを踏まえ、各種の行財政改革を強力に推進しました。

具体的には、歳出において、ハード整備の平準化等により8億4,300万円、機構改革等の効率的な組織運営により9,007万円、事業の廃止等により3億7,204万円の財政効果を見込んでいるほか、歳入においては、基金運用により392万円、ふるさと納税の推進により3,000万円、町に有利な時限的地方債の活用により7億4,073万円の財政効果を見込んでおり、合計20億7,976万円の財政効果を見込んでおるところでございます。なお、交付税算入率が高い起債を利用できる事業を優先して予算化した結果、令和7年度公債費における交付税算入率が43.88%であるのに対し、新規借入での交付税算入率が54.50%となり、負担も軽減されております。これに満足することなく、引き続き未来を拓く行財政改革を進めてまいります。

以上、町政運営の基本方針と令和7年度の主要施策について申し上げました。

「変化こそ唯一の永遠である」

この岡倉天心の言葉を胸に、我々は挑戦をし続けなければなりません。

私は町長として、議員の皆様、町民の皆様とともに手を携えながら、より良い未来を築くために全力を尽くしてまいります。

議員の皆様、そして町民の皆様におかれましては、町政に対するより一層のご理解とお力添えを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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