令和8年第1回田原本町議会定例会施政方針
町政運営の方針
「ちょうどいい幸福田園都市」へ
- 「人が繋がり居場所と出番と活力のあるまち」
- 「安心安全と多様な文化価値を感じられるまち」
- 「未来にツケを残さない 持続可能なまち」
施政方針
それでは、令和8年第1回定例会に際しまして、令和8年度一般会計予算案をはじめとする各議案のご審議をお願いするに当たり、町政運営の基本方針と主要施策の概要を申し述べさせていただき、議員各位並びに町民の皆様のご理解とお力添えを賜りたいと存じます。
◆はじめに
早いもので、町政をお預かりして2年の歳月を経ました。任期4年の折り返し地点に立ち、振り返れば、朝の通学路で交わす子どもたちとの挨拶、地域を支えてくださる方々の静かな誇り、そして、この田原本の未来を案じ、期待を寄せてくださる多くの町民の皆様のまなざし、その一つひとつに触れるたびに、この町の舵取りを担う責任の重さと、その尊さを、日々、深く噛みしめてまいりました。
私は就任以来、町民の皆様と共に「幸せを感じられる田原本」のより一層の実現を目指して、「人が繋がり居場所と出番のあるまち」、「安心安全を感じられるまち」、「未来にツケを残さない持続可能なまち」、これら3つの柱を掲げ、全身全霊でまちづくりに取り組んでまいりました。
具体的な政策面においては、「こどもまるごとプロジェクト」や「たわらもとReBORNプロジェクト」、「たわらもとええ道プロジェクト」、「ともに生きていくまちプロジェクト」、「未来を拓く行革」等の取組を継続・強化することに加えて、改定した教育大綱に基づく「つなぐグローバル教育」や、間もなく完成する「ともぱ!たわらもと」の整備等、新たな取組により着実に歩みを進めることができたものと考えております。これは常日頃より町政発展のために多大なる御尽力を賜っております議員各位、そして町民の皆様の御理解、お力添えがあってのことであり、この場をお借りし改めて心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。
町民の皆様にとっての「幸せ」とは何なのか。「田原本町つながりと助け合い推進条例」に定める、無作為抽出による熟議プロセス 住民協議会を開催し、あるいは町民の皆様と対話をする中で、多くの示唆をいただきました。多世代で助け合える暮らし、都市的な便利さ、田園風景をはじめとする豊かな自然環境、子どもや若者に多様な選択肢があること…。
私もこの田原本に住まう一人の町民として、このまちがもつ「ちょうどよさ」に心地よさと豊かさを感じています。
「都市に田園のゆとりを、田園に都市の活力を」とは、大平正芳元首相が掲げた田園都市構想を象徴する言葉であります。この田原本は、利便性や経済成長といった都市的な活力と、田園風景等の自然や重層的な彩りある文化、地域コミュニティといった田園的なゆとり、その両者を併せ持つ「ちょうどいい」まちであって、今、我々に求められているのは、この「ちょうどよさ」をより高い次元へと引き上げることであると確信しております。
これを踏まえ、令和8年度当初予算案につきましては、「ちょうどいい幸福田園都市へ」、これをテーマといたしました。そのうえで、「人がつながり居場所と出番と活力のあるまち」、「安心安全と多様な文化価値を感じられるまち」、「未来にツケを残さない持続可能なまち」、これら3つの柱を改めて掲げました。40回弱開催した意見交換会等による延べ約1,000名の皆様との対話や住民協議会での議論、議員各位との議論等を踏まえ、「ちょうどいい幸福田園都市」のより一層の実現を目指すものであり、令和8年度当初予算案の総額は、一般会計で163億5,900万円、特別会計は4会計合計で74億864万3千円、企業会計である下水道事業会計は19億7,392万2千円となり、全会計合わせて257億4,156万5千円としております。
今年度の予算編成においても引き続き聖域なき行財政改革を断行することで約10億円の財政効果を見込んでおり、財源を最大限確保することで、一般会計予算総額は前年度比16億4,000万円の増に対し、一般財源は2億1,200万円の増に抑えたところでございます。
当初予算案ベースで、財政調整基金をはじめとする非特定目的基金の取崩しがない予算案を提案しておりますが、これは10年ぶりのことであり、少しずつではありますが、財政健全化に向けた歩みも着実に進んでいるものであります。
本町には、二千年を超える人々の営みの歴史があります。
唐古・鍵遺跡史跡公園に立てば、二千年の時を超えて、ここに確かに人が暮らし、祈り、未来を願っていたことを実感します。この地に生きた人々もまた、自らの明日を信じ、次の世代へと希望を託していたに違いありません。
時代は移り変わり、多くの困難の歴史もあったはずです。
それでも先人たちは、この町を守り、次の世代へと引き継いできました。田畑を耕し、子どもを育て、地域を守り、今日という日へとつないできた、多くの先人たちの人生があったはずです。
我々が今、当たり前のように享受している日常は、その積み重ねの上にあります。多くの先人たちが、それぞれの時代において、この町の未来を信じ、自らの役割を果たしてきたのです。
「社会とは、死者、現存する者、そして未来の者との契約である。」
これは18世紀の政治思想家、エドマンド・バーグの言葉であります。
今、そのバトンは、我々の手の中にあります。問われているのは、この田原本を、我々は未来に向かって、どのような姿で手渡すのか、ということです。現状にとどまるだけでは、この町の可能性を未来へ届けることはできません。
変化を恐れず、一歩を踏み出すこと。
未来のために、今を変えていくこと。
それこそが、この田原本を受け継いだ我々の責任であると、私は確信しています。
任期前半2年を終え、今、私の胸にあるのは、確かな手応えと、そして何より、この田原本の未来は、もっと輝かせることができるという確信です。
この町には可能性があります。ここに暮らす一人ひとりの中に、未来を切り拓く力があります。
だからこそ我々は、この町の今日のために、そして、この町の明日のために、さらにその先の、まだ見ぬ未来を生きる人々のために、町民の皆様とともに、「ちょうどいい幸福田園都市」を目指して挑戦を続けます。
失敗を恐れず挑戦し続けることこそが、よりよい未来を築く唯一の方法であり、残りの任期1年11か月においても挑戦をし続ける覚悟であります。
それでは、令和8年度当初予算案をはじめとする新年度の主要施策の概要につきまして、順に御説明申し上げます。
【子育て支援・教育】 ~ 未来を担う子どもたちのために~
まず、子育て支援について。
令和2年に転入をしてまいりました私から見た田原本は、「都会すぎず、田舎すぎない。都市機能があり、緑があふれている。大阪にも京都にも行きやすい。賑やかだけど、落ち着きもある。新しいものも、懐かしいものもある。寛容で心地よく、程よいつながりもある」。そんな、「ちょうどいいまち」。であります。子育てにも適した環境であり、「住みたい、住み続けたい」と思って貰えるよう、子育てを単なる各家庭の営みと捉えるのではなく、社会的・公共的なものと捉え、積極的な支援を進めます。
令和6年9月に設置したこども家庭センターにおいては、「こども〇(まる)GOTO(ごと)プロジェクト」の一環として、社会福祉士や臨床心理士の配置による専門的支援の強化、児童相談システム導入による情報一元化・サポートプラン作成など、機能強化を図っております。効果検証においても、相談支援対応件数が倍増する見込みであるほか、福祉と教育の連携も大きく進むなど、目に見える効果として表れてきているところです。「こどもの成長に合わせた切れ目のない支援」により、引き続き、安心して出産・子育てができる環境とサポート体制を提供してまいります。
保育環境の整備につきましては、待機児童対策として、小規模保育所を新たに1施設整備するとともに、町立認定こども園保育認定受け入れ拡大、一時預かり事業受け入れ拡大を行い、多様な保育ニーズへの対応を継続実施してまいります。また、保育士確保のための様々な事業者支援を実施し、保育の担い手確保に努めるとともに、学童待機児童対策として、田原本小学校学童保育所において長期休業日には1クラス増設し、利用児童のタクシー移送を行うことで、保護者が安心して働ける環境づくりを推進します。
加えて、幼保小中の給食費の減免として、幼稚園・保育園においては補助単価を引き上げて副食費相当分を補助、小学校においては国の交付金に町として補助を上乗せすることで無償化、中学校については一部を補助することにより、子育て世帯の経済的負担軽減を図ってまいります。
そのほかにも、家庭への支援として、産後ケアの充実、ベビーシッター利用支援事業における対象年齢の拡大、こども食堂の立ち上げ支援、「こども誰でも通園制度」の開始、妊婦への「RSウイルスワクチン定期接種」実施など、新たな取組を含め力強く取組を推進してまいります。
次に、教育について。
昨年改定した「田原本町教育大綱」においては、「This is Me ! 〈これが自分だ〉~誰もが自分らしく生きるために、自分を大切にそして周りの人たちも大切に~」を基本理念に掲げ、自己肯定感・自己効力感を高める教育、多様性を尊重する教育を基本方針としているところです。田原本の未来を担う子どもたちの成長と幸せのために、ハードとソフトの両面で様々な事業を進めており、引き続き「誰もが安心して学べる環境づくり」と「学びの質の向上」に取り組み、子どもたちの成長と幸せを力強く支援してまいります。
ハード面の整備では、令和11年4月のまほろば小学校開校に向け、建設事業を引き続き進めるとともに、学校給食センターにつきましても、令和9年9月の供用開始に向けて工事を進めてまいります。また、こども〇(まる)GOTO(ごと)プロジェクトとしての、南・平野小学校特別教室等のエアコン設置、そしてトイレの洋式化乾式化については、令和10年度中に100%という目標達成に向けて引き続き実施し、子どもたちが安全・快適に学べる環境を整備してまいります。
ソフト面については、新たに「つなぐグローバル教育事業」を実施し、幼稚園から中学校まで途切れることのない英語教育により、多様性を尊重し異文化共生社会に対応できる人材育成に取り組むとともに、学校司書配置と電子図書導入による読解力向上事業の拡充、いじめ・不登校対策支援の体制強化を図ります。加えて、特色ある新たな取組として、「未来の学び実践事業」を取り入れ、教育大綱に基づく特色ある教育活動を各校で実践してまいりますとともに、仲間と学び合う授業づくり、インクルーシブな学び、世界とつながる国際交流等、多様な教育内容の充実を図ります。また、部活動の地域展開連携については、本年度に実施し目標額を達成したクラウドファンディングの寄附を活用し、持続可能な活動に向けた地域クラブ活動への移行を進めるとともに、困窮世帯の地域クラブ参加補助の新設など、保護者の負担軽減に努め、世帯の経済状況による体験格差が生じないよう体制整備を行います。
【かせぐ地域の実現】 ~かせぐ地域のより一層の実現に向け取組を強化~
次に、かせぐ地域の実現について。
過日、経済産業省近畿経済産業局長との共同会見において、全国初となる『輝くいのちのものづくり推進宣言』を行いました。これは人口減少や地域経済の縮小などの課題を克服し、持続可能で活力ある地域社会を次世代へ引き継ぐため、「バイオものづくり」の産業化に資する取組を積極的に推進することを宣言したもので、令和7年度より「バイオものづくり」をテーマに地域資源を活かし、スタートアップの誘致・産業クラスター形成を目指して始動した「たわらもとReBORNプロジェクト」について、経済産業省との連携によるPRや実証等の機会、宣言自治体によるコミュニティ活動を通じて、地域での認知や理解を深め、プロジェクトの実効性を高めてまいります。
令和8年度においては、当該プロジェクト令和7年度採択有力事業者の継続支援、アクセラレータープログラム事業者の追加選定、官民連携ファンドからの投資実行、アントレプレナーシップ教育ワークショップ実施等の取組を進め、新産業創出、持続可能な地域づくりにつなげてまいります。
また、地区計画拡大などによる企業誘致を引き続き推進するとともに、過去最高売上4億円を達成した道の駅レスティ唐古・鍵について、更なる魅力発信・地域振興に注力してまいります。
農業の推進については、課題となっている耕作放棄地対策や自給率向上対策への補助などを行うことで、町域の4割を占める農地における農業担い手への支援につなげるとともに、老朽化の進む農業用井堰の統廃合などを進め、持続可能な農業への移行に努めてまいります。
【つなぐ地域】 ~人と人がつながる地域に向けて~
次に、つなぐ地域の実現について。
令和6年度に制定した「田原本町つながりと助け合い推進条例」のもと、地域のつながりを深めるとともに、まちづくりの自分ごと化や、多様な主体の助け合いを進めてまいります。
清掃工場跡地や老人福祉センターを一体活用し、防災機能を備えたインクルーシブ公園として整備しております、「ともぱ!たわらもと」が、いよいよ本年3月21日にオープンします。より一層、全ての世代が心地よく過ごせる「みんなの居場所と出番」を創出することを目指し、整備第二弾として、人工芝の新設や既存施設のペンキの塗り替えなどを住民参加型イベントとして実施し、公園への愛着醸成にもつなげてまいります。
また、地域の「居場所と出番」創出を目指して、新たに交流拠点創出型コミュニティ「ひと・まちbase」の支援、ユースセンター設置に係る実証として駅前での若者世代の居場所づくりなどを実施してまいります。加えて、青垣生涯学習センターの再整備に先立ち、大規模改修工事を実施し、「知と交流の拠点」としての価値向上に努めてまいります。
【都市基盤の充実】 ~ 今ある日常の充実 ~
次に、安心安全を感じられる都市基盤の充実について。
今ある日常を守りさらに充実させるべく、現在町民の皆様にご利用いただいております公共交通、区域運行型デマンド交通「tawamo(タワモ)」について、利用者数の増加を踏まえて、運行台数を2台に増やし、予約管理システムを導入することで利便性向上を図ってまいります。
令和7年度から5年計画で進めております「たわらもとええ道プロジェクト」については、引き続き老朽化損傷している重要維持管理道路解消に加え、町道の舗装修繕についても健全な維持管理に努め住環境の向上を図ってまいります。加えて、橋梁長寿命化計画に基づく予防保全、ウォーカブルなまちづくりに向けたバリアフリー計画の拡充など、関係機関と調整を図りながら、計画的に進めてまいります。
災害への備えとしては、水害対策として雨水貯留施設整備を計画的に進めるとともに、洪水ハザードマップの更新や、身近な自治会の公民館等を避難所として登録する届出避難所の本格運用による避難所機能強化、コミュニティFMを活用した同報系防災行政無線の整備、クラウド型被災者支援システムの整備を進めます。加えて、住宅防火対策支援として住宅用火災警報器、感震ブレーカー購入・設置費用補助を新たに設け、火災発生・拡大抑制につなげてまいります。
【つながる福祉】 ~(ふだんのくらしのしあわせ)の充実~
次に、つながる福祉の充実について。
誰一人取り残さない重層的支援体制の構築に向けたつながる福祉の充実としては、権利擁護支援体制の強化を図るとともに、身寄りなし高齢者支援、一人暮らし高齢者アウトリーチなどに新たに取り組んでまいります。
福祉タクシー券については交付枚数を増やすとともに、障がい者の外出時移動支援を個人のみの利用からグループ利用を可能とすることで利用の幅を広げ負担減を図り、制度の充実、共生社会実現につなげてまいります。
また、高齢者が可能な限り自立した生活を継続できるよう「ともに生きていくまちプロジェクト」を拡充し、新たに、難聴高齢者補聴器購入助成やまちの保健室事業の実施、認知症予防教室の拡充、高齢者見守り活動協力事業所制度の開始など、認知症発症リスク軽減に注力するとともに、高齢者が安心して暮らすことができるよう引き続き取り組んでまいります。
【文化振興・持続可能なまちづくり】
次に、文化振興、持続可能なまちづくりについて。
令和9年1月に、唐古・鍵遺跡の第1回目の発掘調査から90周年の節目を迎えることを記念し、国史跡としての価値を高め、観光資源としても活用すべく、機を捉えてイベント開催などを行うとともに、部活動地域連携に対応した取組としてミュージアム部(通年ワークショップ)を新たに創設、彩りある文化振興を進めるとともに、スポーツ活動の充実に向けた施設整備によりスポーツ振興を図ってまいります。
また、持続可能なまちづくりを目指し、食品資源循環事業をはじめ様々な取組を進めてきたところでありますが、引き続き、庁舎施設の省エネルギー化改修を進めるとともに、新たに草木等資源化処理事業を進めてまいります。
【合併70周年に向けて】
次に、合併70周年に向けた周年事業について。
本町は、令和8年9月30日に合併70周年を迎えることから、この機を捉え、共創自治の一環として住民参画による周年記念事業を実施します。一過性のイベントではなく、まちづくりで大切にしている「共創自治」として住民参画による手作り感を重視し、本町のアイデンティティの再定義、シビックプライド醸成につなげてまいります。
【時代に適応した役場へ】 ~次代を見据え、しなやかで力強い行政組織構築~
次に、時代に適応した役場づくりについて。
時代が急速に変化する中、時代に適応した組織の構築が求められています。本町としても、行政組織として適応すべく、新たにチャットツールを導入、税証明のコンビニ交付環境の整備を行うとともに、開庁時間を見直し残業時間の削減や、職員のスキルアップ等の時間を確保することで、住民サービスの向上につなげてまいります。
【未来を拓く行革】 ~未来に向けた持続可能な行政運営~
最後に、未来を拓く行革について。
限られた財源を効果的に活用し、補助金・交付金の積極的活用に加え、基金運用、ふるさと納税の推進、有利な時限的地方債の活用など、歳入確保に注力するとともに、選択と集中により、次世代に負担を先送りしない財政運営を行う必要があります。
令和7年度予算編成において断行した聖域なき行財政改革を継続するとともに、専門的知見とDX推進の視点から行財政改革をさらに強化してまいります。
むすびに
以上、令和8年度の主要施策について申し上げました。
「社会とは、死者、現存する者、そして未来の者との契約である。」
その言葉のとおり、我々は先人から受け継いだこのまちを、よりよい姿で未来へ手渡す責任があります。
私は町長として、議員の皆様、町民の皆様、そして役場職員とともに、10年後、20年後を見据え、「ちょうどいい幸福田園都市」の創造に向け、最善の努力を積み重ねてまいります。
改めて、議員各位、並びに町民の皆様におかれましては、町政に対する
より一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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